皆様、お元気ですかー!!私は相変わらず、企業の劇伴音楽やお店のPV用楽曲制作、DTMスクール講師などでバタバタとさせて頂いております。

クライアント様、生徒様、有難うございます。今後も引き続き宜しくお願いいたします!!

今日は音楽サブスクリプション(音楽定額配信サービス)について、最近、もやもやしていたので私個人の見解を述べたいと思いました。

 

以前からストリーミング配信(サブスクリプション(月額定額制)での楽曲配信)の再生回数によるアーティストまたは原盤権所有者の収益が低過ぎるというのは思っていました。また、プラットホーム(配信事業者)の再生可能楽曲が約1億曲という点に疑問を持っていました。

1億曲あって聴きたいアーティストの楽曲の絞り込みの母数は増えても、『1億曲全曲は聴けないでしょ?』という気持ちでした。

今回のブログを書くキッカケは私も大好きなアーティスト、山下達郎さん、川本真琴さんのサブスクリプションサービスに対する発言が発端でした。

私も音楽業界で30年間生きてきた人間です。お二人の意見、考えはとてもよく解ります。

 

山下達郎さんのサブスクリプションに楽曲をリリースしない理由を絞り込むと

★『プラットホーム(音楽配信事業会社)の勝ち。』

  • ★『表現に携わってない人間が自由に曲をばらまいて、そのもうけを取ってるから。』

★『音楽は音楽でしかない。音楽として何を伝えるか。誰のためにやるか、誰に何を伝えたいのかが、自分で分からなくなる。表現というのはあくまで人へと伝えるものだから。』

という3点に絞られるかと思います。

★『表現に携わってない人間が自由に曲をばらまいて、そのもうけを取ってるから。』という気持ちはとてもよく解ります。

私がレコード会社で勤めていた頃(1995~2000年)はアーティストのメジャーデビューというものは本当に厳しい時代でした。レコード会社もアーティストの所属プロダクションもアーティストを厳選し、楽曲を制作する事も、アーティスト、CDを売る事も必死でした。アーティストもメジャーデビューという狭き門を通るのに必死でした。

年間に何千曲のデモ曲を聴きましたし、オーディションの審査員も行いました。その中でデビュー出来るアーティストやバンドは私が担当したアーティストでは10組あったかどうかだったと思います。

 

しかし、現代はレコード会社や音楽プロダクションに所属していなくても、誰もが楽曲配信手数料を支払えば世界中に楽曲を発信出来る時代になりました。

現代はDTM(パソコンでの音楽制作)の普及、サンプル素材(元々音として仕上がっている音素材)の普及で、DTMの使用方法を覚えてしまえば、作品のクオリティーや楽曲に対する想いを考えずに楽曲を量産出来る時代になりました。

もちろん、楽曲を大量に制作し、売り上げ至上主義の楽曲制作者ばかりではないと思います。真剣に作品のクオリティーや楽曲に対する想いを考え制作をされている方が大半だと自分は思います。

しかしながら、作品のクオリティーや楽曲に対する想いを考えずに量産体制で制作された楽曲も再生されれば、

約40%〜50%はプラットホーム(配信事業者)の利益になるのです。その点において、『表現に携わってない人間が自由に曲をばらまいて、そのもうけを取ってるから。』『プラットホームの勝ち。』という表現になったのだと思います。

 

『音楽は音楽でしかない。音楽として何を伝えるか。誰のためにやるか、誰に何を伝えたいのかが、自分で分からなくなる。表現というのはあくまで人へと伝えるものだから。』という気持ちもアーティストとしての『楽曲に対する愛、または想い』だと思います。

サブスクリプションは、世界中に楽曲を配信出来、楽曲やアーティストを知ってもらえるきっかけになるかもしれないというメリットがあります。

しかし、1億曲再生可能という中からたまたま聴いた楽曲が山下達郎さんの楽曲で(ストリーミング配信は行なっていません。)、プラットホームの利益を生むだけのAIの技術の進化で大量生産される楽曲(それだけに限りませんが。)と同様に扱われないで欲しいという気持ちだったのだと私は思います。

音楽制作は楽曲に対する愛や想い、コンセプト、ターゲットというものがあります。また、個人的にはCDに収録されているWAVファイルから楽曲配信サービスで使用されている音声規格のAAC、FLAC、mp3ファイルでの楽曲再生に疑問を抱いているとも思いました。本当はレコードで聴いて欲しいという気持ちがあるかも知れないとも感じました。

 

川本真琴さんのTwitterで、表現は異なりますが「友人がサブスク配信をしており、サブスクリプションの利益の還元率が悪い。」という記事がありました。この意見にも同感しますが、これも先ほどの『プラットフォームの勝ち』だと思います。

CD1枚、2曲入りで1,000円(税込み)の時代と現在のストリーミング、1再生0.3円前後と1楽曲あたりの単価が異なります。

楽曲をCDというジャケットも含めたパッケージ商品として買い取って貰うか、ストリーミングでの楽曲再生回数が収益となるというところに大きな違いがあり、利益の違いが出て来ます。また、CDは殆どが指名買いに対してストリーミングは指名再生もあれば、たまたま楽曲を聴いてよく聴く様になったり、SNSで話題になる事が多いと思います。

ストリーミング配信において収益を原盤権、出版権、歌唱印税、アーティスト印税、プラットホームの取り分等に分配すれば、更に個人に入る収入は減少します。

また、これは世代間の違いですが、CD全盛時の収益を知っている世代は収益が少なくなったと感じる方が多いと思いますが、サブスクリプションサービスのみの収益のみを知っている世代にとっては何千万再生となれば大きな収益と感じるのではないでしょうか?

 

今の時代にアーティストが収益を上げるには、、、。

①私、個人が考えるサブスクリプションが主流となった現代で、収益を上げるにはサブスクリププションサービスを楽曲の宣伝のツールと考え、ダウンロード販売で楽曲を購入して貰う。

②サブスクリプションで再生回数の多いアーティストの楽曲を参考にして楽曲を制作し、サブスクリプションで配信を行い、更にYouTubeで楽曲を発信し、印税、広告収入を得る。(個人の場合はJASRACに楽曲の登録を行う。)

③ライブを行なっているアーティストならば、ライブでの物販やCDの販売で利益を上げる。

④YouTubeで楽曲の発信を行い、印税収入(その場合、個人での楽曲配信の場合はJASRAC登録とYouTubeのコンテンツIDの利用資格を得る努力をする。)、広告収入を得る。

⑤サブスクリプション配信で、しっかりとした収益(しっかりと収益とはレコード会社所属アーティストや個人などで金額は異なります。)を上げられるくらい再生回数が伸びる楽曲を制作し、宣伝する媒体、コンテンツを考える。

⑥自分の楽曲、ファンを作る。

以上の 6点だと私は思います。

 

今の時代に大切な事と私の時代の現実。

30年前に私が音楽原盤制作会社に正社員として内定を貰った時の採用倍率が約500倍との事でした。

また、私が人事で採用担当を行なった時も履歴書は1,000通以上来ました。そこで採用は1名。履歴書に目を通すだけでも大変でした。

今、振り返るとアーティストだけでなく、メジャーレーベル、音楽原盤制作会社、音楽プロダクション、音楽出版社等で勤務し、生活する事が稀でありたまたま運が良かったのだと思います。

今はWEB、SNSの普及で以前より音楽を専業の仕事として行う幅が広がったと思います。

30年前には少なかった原盤制作会社も作家事務所と名前が変わり、行なっている制作内容は制作ツールは変わったもののほぼ変わりないと思います。また、30年前の原盤制作会社時代より作家事務所は増えたと思います。

DTMの普及でプライベートスタジオを持ち、個人で仕事をする事も可能となりました。

 

今の音楽プロダクション、サブスクリプションのプラットホームに求める事。

もし、音楽プロダクションがアーティストを所属させるならば、固定給、または固定給+歩合給をアーティストに支払って欲しいです。

私がいた原盤制作会社はアーティストマネージメントも行なっていましたが、アーティストには完全固定給、固定給+歩合という形での月給制でした。

また、音楽配信事業者は楽曲を配信するに当たって厳選を行う、または配信決定楽曲に対して『楽曲使用料』を原盤権、出版権保持者に事前に支払うという事を検討して欲しいです。

 

長くなりましたが、結論です。

私の場合、原盤制作会社に在籍してから5年間、月に100人と名刺交換を行いました。年間、1,200人以上の方と知り合いました。

30年経った今現在もその時代に知り合った方々からもお仕事を頂いたり、その方の知り合いからお仕事を頂いたりもします。要は人脈作りがいかに大切かという事です。また、この楽曲ならば、誰々にお願いしようという『信頼を得る事』もとても大切だと思います。

SNSが普及した今ではもっと多くの人々にアプローチする事が可能になったと思います。沢山の方にアプローチを行い、

自分を知って貰い、多くの人脈をつくりましよう!!

 

自分も年内にサブスクリプションサービスで自作曲の配信を行います!

アーティストの皆様、共に頑張りましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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